行政からの産業振興を期待され補助金の支給を受けていたが、破産申請の際に不正受給を疑われたメーカー事例

 

総負債額9億強の会社で、そのうち行政からの補助金が数億にのぼる件でした。県は産業振興を期待して、補助金を支給しているため、従業員なども多く取り揃え、メーカーだったため大規模な工場装置を導入したのですが、残念ながらほとんど受注できずに破産に至った事案です。

 処理とすれば、従業員の方は非常に多く、給料や退職手続きについての説明が大変だったこと、かなり遠方だったことなどもあるのですが、一番の印象的なことは、県の方から不正受給ではないかと疑われかけたことです。すなわち、行政からみると、全く受注していないということで、活動していなかったんじゃないか、最初から補助金をとるためだけの会社じゃないかと疑われてしまったのです。その後、県からの調査も行われ、それについても、説明をつくしたところ、頑張ったけれどもたまたま受注できなかっただけということが分かり、返還命令はきたものの刑事告発とか告訴などは当然ありませんでした。この返還命令について言うと、会社についての命令なので、会社が倒産したことによって実際にはお支払いはしていません。個人についても例えば、二次的に社長も払えと言われてしまったら大変なことなのですが、そのような処置はありませんでした。

 実はそれに前後して、同じようなケースの相談があったのですが、その会社の場合は、実際に導入した装置以上の金額を県に申請したため、完全な補助金の詐欺とされ、全額について返還命令、刑事告訴されていました。当然違いは、本当に補助金を使って頑張る気があったかどうかになります。最近、雇用関係の補助金を受け、スタッフの雇用はしたものの活動しなかった人材会社、補助金はないのですが金融機関から借り受け、スタートしようと思ったけれど、看護師の人数の要件などを満たせずスタートできなかった介護会社など立て続けに、本当に実態にあったのかと疑おうと思えば疑ってしまうケースがきています。

私も当初はそういう目で見てしまうことがあったのですが、実際には手を尽くしたけれど受注が成約しなかった、手を尽くしたけれども訪問客が来なかったなどのことは、十分あり得ることなので、それについては経緯を一生懸命説明し、積極的に疑ってくる行政や金融機関との間で矢面に立つことで、あらぬ疑いは晴れますので、怖がりすぎず相談をまずしてもらうことが第一だと思います。
 
他の事例を見る >>